あの2001年9月11日の悲劇から6年が経つ。丁度、その年の春先にニューヨークを訪ねた。何とも豪勢な旅でAМ社からというより、リッチからの招待でボストンの郊外のリゾート地であるナンタケットを訪れていた。KENNEDY家の別荘があるほどの素晴らしい場所であったし、宿泊は豪華クルーザー”エンタープライズ号”だ。(35億円するらしい。)それは、それは豪華な素敵な時間であったが、我々ガイジンには暇すぎる場所だった。そこで船長に提案。『ここは素晴らしい場所ですが・・・ニューヨークに遊びに行きたい!連れて行って下さい!』とのあまりにも身勝手な提案に船長は『了解しました。リッチからお客様の満足がいくようにと言われておりますので今しばらくお待ちを!』との返答。その数時間後には、全てが整いました。今夜、出航して皆さんがディナー、パーティー、そして就寝している間に走り抜けて明朝にはニューヨークです。多少ゆれる可能性がありますが勘弁下さいませ。』との返答。(この全てが整ったという意味が深く、船の入港場所の手配、フォーシーズンのスイート4部屋、各自のリムジン、おまけにミュージカルのプラチナチケットを並びで8枚、とびきりゴージャスなアランデュカスのレストランの予約・・・を指しているのだ。だいたいボストンからニューヨークまで船でカッ飛ばしたって8時間以上はかかる。)・・・・そして翌日、朝日がまだ空に赤みを残す時間にエンタープライズ号はハドソンリバーからManhattan島を右舷に見ながら下り、最後にはこの写真と同じツインタワーが見えて来て、感無量になった記憶は鮮明だ。参加者は全員、デッキに出て大富豪の気分を味わっていた。そして朝日がツインタワーに当たりキラリと反射したのを覚えている。その旅行の時に、道端で行商していた露天商の写真の中に、この三点があり、無意識のうちに購入した、この写真はもう現実には無い、その時の”想い出”の象徴になっている。世界が平和になって欲しいと写真を見る度に思うのだ。