ハリスツイードなる布地がある。紳士服は突き詰めれば英国産、イタリア産に尽きるのであるが、そんなセビルロード(背広の語源、ロンドンの中心地にある仕立て屋さんが並ぶエリア)でもカジュアル(狩猟に行く時に着るハンティングジャケットとかカジュアルな服装)な装いの王道の素材と言えばハリスツイードなのだ。(違うかもしれないがオレはそう信じている。) ボクは少年時代(中学生)ころからアイビーブームに相当に感化されて、その後Made in USAなどの文化に傾倒。そんな時代に常に雑誌(Men’s ClubやPOPEYE)に紹介されたのがハリスツイードのジャケットだったのだ。憧れ中の憧れ!! ところがそんなジャケットにお金を出せる余裕などないし、そんなモノ、子供が似合う服でもない。本場の英国では代を受け継いで子供や孫へ引き継がれる程の素材なのだ。少年時代の強烈な憧れ・・・だからであろうか、このハリスツイード製品にだけ付けられた織ネームを見ると、異常なまでに反応する。そして買ってしまうのだ。もう、それはコンプレックスのイキだと思う。
今年も二着のハリスツイードを購入してしまった。 買う時にセレクトショップの若い店員が知識が無く『コレ、そんなにスゴイんすかぁ!?』とか言われると殴りたくなる。『オマぇ!ハリスツイードへの憧れはネーのか!?服屋なんて辞めちまえっ!!』と言いはしないが・・・・コレ着てると少しは紳士になれた気がするんです。ハリスツイードは昨年100周年を迎えたなんて言って一部のマニアで盛り上がってましたけど、きっと相当にニッチな世界。イギリス人だってもっと着やすい素材へ移行しているだろうから世界中の誰かが、こんな伝統のあるモノを守らなくてはいけない素材だと思って買ってます。このある意味、このコンプレックス、尽きる事はないんだろうなぁ! http://www.oldhat-jpn.com/bespoke.htm