炉ばた焼きの発祥の地が北海道の釧路であると知った。街を歩くとやたらに”炉ばた焼き”の看板が目に付くのだ。いったい”炉ばた焼き”なる料理は何であろうか。メニューを見てじっくり考えよう。すると気が付くことは他店や居酒屋、小料理屋と比較して圧倒的に料理物(調理したもの)が少なく、一言で言えば”焼いただけ・・”と判断できるものが多数をしめる。しかしそれは”焼きの道”に特化し、焼きのプロに徹するという意味なのだ。焼くという作業、行為は恐らく人類最古の料理法であろう。釧路でも有名な、元祖たる名店、その名も”炉ばた”を尋ねた。
炉ばた店特有の薄暗さが電気代を目標数値月々2万円に抑えるというエコロジー感覚に感心。そしてど真ん中に焼き場がドォーンと鎮座、そこには間違いなくその店で最も重要な役割と感じる。その焼き場を中心に店がレイアウトされているのだ。そしてその焼き場に君臨するのは、その店の長である。この店の店主であろう”店を守って70年”みたいなバア様は老眼鏡の奥から厳しい目で炭の燃え具合、炭の量をチェックして丹精込めた焼き加減で、ひとつひとつの焼き物を仕上げているのだ。その店主、ドン、クイーンは会社で言えば代表取締役社長、外資系企業ならば最高経営責任者CEО、AM業界ならばクラウンアンバサダーであろうか、ものすごいオーラを発し、炭の熱以外にオーラ熱も加わり焼かれているのではという程に出てきた焼き物は完全かつ無比であった。
好物のホッケなど焼きすぎず、生すぎず、油分が飛ぶ事も無く軽いコゲが美味しい程度の素晴らしい仕上がり。当然に魚は新鮮で、かつ正しい干し方で作られたオーラ度数の際立って高い食材であった。焼き場の周りにかまえる女将達も女王蜂に使える蜜蜂のごとく動き回り注文を聞き、焼き場のバア様に食材を届けている。何故であろうか、こんな店にはサラリーマン、どちらかというとユナイテッドアローズとかクラシコイタリアなんていうスーツよりアオヤマとかコナカなんていうブランドがお似合いに思えるのは失礼なことであろうか。(充分に失礼だと思った・・・)さてビンの札幌・黒ラベルで”まぁどーもどーも”なんて言いながらビールを注ぎあい”お疲れさまぁ~~!”なんて言葉で乾杯でしょ。
まぁ、なにせ発祥の地の店名が”ろばた”なんだからスゴイ。 アナタの知っている店で寿司屋”すし”、フランス料理”フランス” カレー屋”カレー”なんてある!? この店みて真似した人が後を絶たないのは想像出来ました。 今夜はしっとりと”ろばた焼き・ろばた”で人生でも語りましょう。
- 炉ばた焼き”炉ばた” 北海道釧路市栄町3-1 0154-22-6636
- 営業時間 夏期 17:00~24:00(4月下旬~11月上旬) 冬期 17:00~23:00(11月上旬~4月下旬)
- 定休日 毎週日曜日 (ゴールデンウイーク、8月は無休。)