【2011 11/3~4 激しく充実な長~い1日】
東京でしっかり大きなミーティングを完了させて、軽い(いや重い・・・)宴会をして、深夜の羽田空港からタイのバンコク経由でブータンに入る。ほぼ24時間稼働する様になった羽田空港の完成で東京人の旅のスタイルは如実に変化した。 5時間のフライトはアッという間、バンコク国際空港ではアメックスのプライオリティーカードのおかげで快適なラウンジタイム!シャワー&軽食でリセットが出来た。実はラウンジで、和み過ぎてブータン・パロ行きの飛行機に乗り遅れる寸前・・・(笑)しかし空港から少し離れたバンコク市内では水害で大変なことになっているのに、この空港にいる限りそんな空気がまるでない。パロまでは3時間チョイのフライト。途中のバングラデッシュにトランジットしたが、ものすごいスモッグで驚いた。どうせわざわざ行く機会も無さそうだから、寄れば良かったと思ったが、この空気を見たら行かなくて良かったと思ってみたり・・・ ブータンの空港は恐ろしく山岳地帯を抜けて入って行く。もう飛行機のハネが、山とスレスレに近づいているかと思える程に近かった。 空港に降りるとニオイが気になるのだが、まさに空気清浄機を100台くらい並べてブンブンに回しているかのごとく、清く澄んでいて清々しかった。 ブータンの観光は、様々と制限されていて、自由気ままに入国をして勝手に見て回るという事が許されない。全てビザの取得など専門の観光会社を通して、そしてしっかりガイドをつけてホテルもキッチリと予約するのだ。1日のビザ代金が200ドル近く(それのホテル、食事代金などが含まれる)というシステム。
空港は本当にキレイで人々も紳士だ。物乞い的なひとも見受けられない。迎えに来てくれたのはガイドのサテン氏(たぶんそんな発音。喫茶店の略語であったサテンと暗記)パロから一番の都市であるディンプーへ! 国立僧侶学校ディチュポタン、伝統工芸院のソーリクチュズムなどを訪問。どちらも若いというか子供も沢山いたのだが、みんな良い笑顔してました。
このブータンに興味をもったのはここの有名なイケメン国王です。 世の中はグローバルスタンダードとか言って”発展”という方向を向いているのは事実。ブータンという国は地図で見ればわかるが強大な経済的発展を遂げているインドと中国に挟まれた土地なのだ。しかしそんな無意味な発展は国民の生活をマイナスにする部分も大いにあると判断した国王、政府はGNP(GrossbNationalProducts国民総生産)なる国の発展指標を捨ててGNH(GrossNationalHappiness国民総幸福度)を提唱したのだ。2006年、英国レスター大学の心理学者エードリアンホワイト氏の全世界8万人の100項目に渡る聞き込み調査を集計!で明らかになった、世界一幸福な国は! 1位 デンマーク 2位 スイス 3位 オーストリア 4位 アイスランド 5位 バハマ・・・・ブータンは8位、そして23位 アメリカ 35位 ドイツ 41位 イギリス 62位 フランス 82位 中国 90位 日本 125位 インドということで、日本は中国より下に位置している。 また、ブータン政府の聞き込み調査(2007年)で、9割の国民が幸福と感じている。
今回の旅、そんなブータンの微笑みを生で見てみたいと思ったのだ。ちなみに、ココの国には沢山の歴史的建造物があるが、なんと世界遺産登録は一つもしていない。なぜならそれをすることで観光客が無意味に増える事への懸念・・・と聞いている。スゴくない!?
ホテルはティンプールの町中のHOTEL Pedling 設備はお世辞にも上等とは言えないが必要十分、それ以上にスタッフのスマイルとサービスが素敵だった。 夕方に街をウロウロ~~買いたい物は残念ながら無かった。トレッキング時に使う手袋、せっかくならば記念にでもなったら尚、嬉しい!東京でお洒落につかえたら更に嬉しいと考えて捜したが・・・該当品はまるで無かった。買えたのは子供用のヒドいデザインが施されたモノだった。 そう、このブータンでは”モノに支配されない世界”があるのだ。
夕飯はホテルの地下にあるレストラン。決してブータン料理ではない。一生懸命とコジャレようとする意欲を感じるが・・・持参していた醤油、ワサビの登場、そして持参したイモ焼酎を初日から頂いてしまった。美味かった!!
【ブータン3日目 11/5 ドチユラ峠をぬけてプナカへ!】
天気は曇り、ひいき目に見ても暗い・・・気持ちは快晴! 今日は3時間のドライブでプナカに向かう。途中のドチュラ峠ではドゥオンゲルという寺院。ここには108個の石碑が立つ、荘厳な空気なのだが、まわりに霧が立ち込めて一層、荘厳な空気を醸し出している。本当は遠くにヒマラヤが見えるらしいが、残念っ! 昼前にチンミーハーカンという寺院を見学。聞けばここは”子づくり祈願”の聖地らしい。それらしき女性と家族が来ていた。そこの木の彫り物をみるとまるで冗談にしか思えないのだが、あえてその写真を載せたら、ここの威厳に関わると思うので割愛致します。(笑) その後はランチ。平野を見渡すレストランで食事を楽しんでいるのは欧米人ばかり。薄目で見ればヨーロッパの山岳リゾートだ。そこに来ていた日本人女性二人と友達に成る。女性二人のブータン旅行・・・謎だ。しかし今回も随分と多くの女性一人旅遭遇した。そんな時代なのかなぁ!? 午後はもう少し離れたプナカへ! ここは川の中洲にとんでもない寺院(プナカゾン)がある! その荘厳さたるやハンパではない建造物で衝撃的だった。これが世界遺産登録をしていないなんてあり得ない。そのスケール感もデザインもスゴいの一言! その後、同じコースをティンプーに戻った。
ホテルに帰ってちょいと事件が! 不覚にもホテルの部屋に鍵を忘れてしまった。正直、そんなに悪いことをしたとは思わなかった。フロントでスペアを依頼。ところがいつになっても開けてもらえない。上がって部屋を見てみると部屋の前で鍵を100個位並べて一つ一つ合わせている。なんとスペアが準備されていなかったのだ。これ、いつになったら開くのだろう・・・待って見ていたら結局、全ての鍵があわない。ホテルのエンジニアは困り果てて、結局、鍵を破壊しようと目論むがなかなか壊れない。するとその向かいの部屋に宿泊する格闘家・福井がジムから帰って来た。破壊=福井という事で、ヤツに鍵の破壊を依頼したら、なんと後ろ蹴りイッパツで開くには開いたが、なんとドアのど真ん中がガッツリと開いてしまった。従業員全員で笑い転げた。しかしこの部屋は明日からどうするんだろうか!? 福井は今日の昼間も畑でアーチェリーを練習している子供から弓を借り受けて、弓を引いて戻す瞬間にどんな力を加えたのか、弓を破壊してしまい、子供は放心! 温厚なブータン人の父親を怒らせるという事件を起こしたばかりであった。
夕飯はやはり外人専門のレストランでメシ! 可も無く不可もない当たり外れの無いレストランでした。 しかし予想外の停電でのキャンドルディナーはお洒落・・・でもヤロー三人です。
【ブータン4日目 11/6 パロへ戻りましょ!】
パロに戻る途中で鎖(くさり)で出来た橋を見学。これが衝撃的な橋で17世紀に出来たなんて信じられないモノ! というのは手づくり製の20センチ程度のクサリ4?5本のみで吊ってあり、今は網がかかっているが、昔は無かったという恐ろしい橋なのだ。オレって橋好きかもしれないって最近思います。なんだか橋を渡る時に、異常にワクワクするんですよ。とにかく良い体験でした。
そして市内のパロ・ゾンに入る。毎日毎日ゾンばかり見ていて、少々トゥーマッチ気味で、その次のヤツはパスしてもらって、その分、なんとパロから山中に20分入った所にあるアマングループのホテルであるAMANKORA(アマンコラ)を訪れた。道に小さなエントランスっぽい看板があるものの、そこにはアマンとはとても関係無さそうなオジイさんが数人座り、世間話をしている。そこの林の中を抜けるとホテルがあるのだが、そこにはナンのファサードとしての小細工もなくて、ただの松林を歩く感じ。するとだんだん見えてくるのだけれど、実にアマンらしく天然素材を使って、ブータンの建築様式をディフォルメした、ハイクラスなデザインで処理している。カナダ人のマネージャー(というか只の私服でフレンドリーなお客さんにしか見えなかった。)が挨拶してくれて、館内を見たいと言うとウエルカムで部屋を見せてくれた。自然と一体化した室内はゴージャスでハイセンス! ここで一週間位、引き込もりしたいもんだ。 そしてラウンジでお茶タイムを楽しんだ。実に良い時間だった。その後、ナショナルジオグラフィックが関与しているというホテルも見学、大分、大きなサイズのホテルだがブータンらしさが残って素晴らしかった。 今夜の宿泊はJANKA RESORT だ。チエックインするとスタッフのスマイルは素晴らしい。でも部屋を見ると、というかアマンの後だと何処を見てもトホホ・・・ (笑) ここにはHOT STONE BATH(石焼き風呂・ドツォ)という真っ赤に焼いた石をフロに入れて入る個室のフロがあり、気持ちが良かった。
【ブータン5日目 11/7 いよいよタクツァン僧院へのトレッキング】
ブータンの朝食・・・お世辞にも美味しいとは言えない。良く言えばシンプル!8時半に出発をして、今回の最大目的地であるタクツァン僧院へのトレッキングだ。9時半に駐車場をスタートして途中、15分の休憩をして、到着は11時45分ということで、片道約2時間半のトレッキングだった。
アップダウンは見ての通り、結構キツいが実に爽快な道だった。ただ標高は2300メートル近くまで上がるので、やはり息が上がり気味。途中、数カ所から断崖絶壁のそびえ立つ、タクツァン僧院が見えるのだが、お見事な建築だ。街で見かけた絵葉書そのままの景色がいくらでも見える。14世紀という時代に、この場所にこんな建築物を作れたのが不思議だ。 僧院に到着するとカメラ、携帯電話などは預ける事になる。というのも僧院の中ではいまだに修行を重ねる僧侶がいるからだ。 三カ所の仏堂を訪れてそれぞれゆっくりと座って瞑想チックな時間を過ごした。その時の体験・・・とても文章にはできません。
そして下山。途中の展望台にあったレストランで”例の”ランチ。ゴハン、炒めた野菜が2種、唐辛子の炒め物、ダル(スープ)を食す。3時には麓の駐車場に戻り、皆で今日の体験を喜び合った。
夕飯はパロの街の外人向けレストラン。というのも、この街では外食成る習慣が無い様で、レストランは外人観光客の為の物なのだ。ブータンは食料自給率も極端に低くて、野菜なども輸入に頼る。宗教上、あまり肉類は食べないという事で、今回の食生活はいたってシンプル、言い方を変えれば、食は期待をするなという事だ。 それを差し引きしても充分に楽しめる4泊4日だった。
ここからタイのチェンマイに移動します。11時にパロを出発して途中、バングラデッシュを経由して16時半にバンコク、そしてトランスファー、チェンマイは20時ということで1日が移動日。タイoチェンマイも楽しみだ。
※旅に出る前にブータンに行くと人に言うと『ヘェー・・・』で終わっていたのが、入れ違いの国王の来日で、帰ってからブータンに行って来たというと、いきなり『いいなぁ!ステキっ!』に変わっていた。人は不思議だ。