波田はインターネットの情報などは、時々は参考にするが、あまり信じない。やはり確実な情報源のヒトからのクチコミに頼るのが常日頃だ。だから普段から、誰かから教えてもらったお店は、メモに数十軒は書かれている。 さて、富山に行く事になった。富山と言えば、富山湾を前に美味しい海産物にありつける。(富山の海流はとても珍しく素晴らしい魚を育てる。) ある目的の店の電話番号をネットで捜している時に、なぜかこの店を知る事になった。 “○○のお店を使う方は下記の○○のお店も利用されます”みたいな・・・余計なお世話だが・・・正直、気になって・・・予定を変更して、優先順位をこの店に変えてみた。 インターネットの情報・・・どうなんだろう!!
店に入るや、頭の中で“ビンゴ!!!”と唸った! まずはビールを注文するとキレイな泡のビールが持ってこられ、そしてオープンキッチンの中から相当に忙しくしている店主が挨拶に来てくれて『今日は少々、団体様が来てますので少しお時間がかかりますが、これでも召し上がってゆっくりしてください!』と、酒に合う一品を出してくれた。もう、その心遣いにワンパンチ!! そのつまみの美味さにツーパンチ!!(バイ貝の酒蒸しとナマコ酢) その後、出てくる魚は美味いったらありゃしない! 謙虚な料理人って本当にカッコいいんですよ。本日の刺身は 赤いか、赤カレイ、キジハタ、太刀魚、鯵、さより、甘エビ、ブリ。
聞けば御主人はダレかの元で修行をした経験も、飲食店で働いた経験も無いとの事。では何故・・・ご実家はスーパーマーケットをやっていて、やはり大手などから身を守る為にも美味しいお刺身などを安価で提供する事が、お客さんをつかむ為の必須条件であった事で、ご自分で東京は築地の中央卸売市場で働き魚を見る目を養い、そしてスーパーで日夜、独学で見る目を養い、腕を磨いたのだ。さすがに美味しい魚の産地である富山のお客さんは目も舌も肥えているのだ。 ただ、魚を買って来てさばいて出すなんてものではない奥深さと、魚への愛情を感じるのだ。 その後、出て来た料理は本当にお見事!! それが全て自己流というのだから、食のセンスとか探究心、そしてなにより美味いものを作れる“舌”が絶対的なんだろうなぁ。
その後、焼き魚はのどぐろ、大きな鯵、そして内子と毛ガニ、むつとイカと西京漬けのサラダ、最後に稲庭うどんと水だしコーヒーとアイスクリーム(これがまた劇的に美味い!・・・もう昇天しましたよ! また、この店だけの為に富山に行こう!
- 富山 だいどころ屋 富山市日ノ出町4-2 TEL076-432-5700
冬の富山を訪れた。(トヤマ県だょ。北陸の・・)寒いのなんのって映像的に高波に荒狂う日本海とグレーの空は寒すぎる。そこに松の木が風で狂うように揺れていたら実に○朝鮮未確認船が似合う景色じゃないか。(富山県民にケンカ売るつもりはないよ。)しかし、皮肉にもそんな海で鍛えられた魚は根性が違うと言うかやる気満々美酒爛漫(古いナァ)だった。明らかに美味しい魚が冬の北陸には多すぎる。ズルィ。だから、富山の料理人は素材の良さに甘んじて調理をしないで只、切ってだすような職人が多いらしい。でも新鮮な魚を美味しく出せればいいじゃないの。”鮮”というそのままの名前の定食屋を訪れた。実は不覚にも(何がフカクだぁ・・・自分で致死量を大幅に越えて飲んで騒いだくせに・・)二日酔が厳しい状況で、いつ何が起こっても不思議ではない胃腸は緊急厳戒態勢(キンキュウゲンカイタイセイ)を引いていた。レベル9の緊張状態で一時はその定食屋の誘いを断ったのに、ユウジン”林”は強引だった。
その店に入ったらナンだか不思議な緊張感があった。入店後まもなくオババがこっちを指差し”ナンニン”(機嫌悪さ度数7)と質問。4人と答えたら、数分後にイキナリ銀のアルマイトの盆に乗った食事が運ばれてきた。オババに勇気をもって波田が代表質問をした。”コレ、ナニ・・?”にオババは”サカナァ”だってさ・・・・・会話が成り立たない。そして再度、アラ汁らしきを指先確認したところオババは”シル”との答え。(機嫌悪さ度数8,5を記録)答えになってない・・・・。まっイッカと気を取りなおしたが、オレの胃腸は厳戒態勢の洪水警報発令中で海上保安庁待機。しかしその”アラ汁”がオレを救ったのである。キャベジンでも大田胃散でもないアラ汁が、なんと厳戒態勢の洪水危機からオレを、そして平和なこの店を救ったのだった。しかし”何が食いたいのか位、聞いたってイイジャナイカァァこのオババ・・”と思っていたらスゴイ。だって皿には煮魚、焼き魚、刺身、白身がキッチリと魚ファンの要望を全て満たしている。素晴らしい!!。そして値段を聞いて驚いた。たったのオンリィー700円だって。急にそのオババがイイヒトに見えた。
帰りに話したら本当は優しいカワイイ、オバアチャン(呼び方も変る。)だった。波田啓次郎の都会的センスと気品、上品さとモデル並みの容姿を見てオバア様(再度呼び方格上げ)は、オレが東京から来たとわかりジイチャンは興奮して、”そんじゃーこれ食ってきな~~”と言って生け簀から泳いでいる蛍イカを手掴みでとってオレに渡した。そして”食いナァァ~”・・・だってプルプル生だぜぃ。オレの手の中で暴れている。しかし躊躇はイカンとおもい、お口に投下・・・。美味い、ウマイウマイウマ~イ。ウンンンメェェ・・・新鮮を越えていた。ライブだゾォ。おれの二日酔は何処に行ってしまったんだ・・・・・・・。気の毒に、先程まで幸せに泳いでいた蛍イカは今頃、波田のどこかで濁流に飲み込まれているのだ。犠牲者を出してしまった。美味しい飯は二日酔を制すのだぁ。ザマアミロォ・・・昼下がり、オレは二日酔に勝ったと思い富山の空にピースをした。
- 天然魚、活魚と食事”鮮”(せん) 営業時間 11:00~13:00頃 17:00~23:00頃
- 富山市室町2-2-13 電話 076―441-1144
- 昼のみの食事だったが、定食でホウボウの塩焼き(一匹)、キンメ煮つけ、白身魚フライ、イカの詰め物、刺身(”ふくらぎと”いうブリの成長魚)大根煮物、漬物に豪華アラ汁がついて700円ジャスト!!。
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