煖炉(だんろ)がアウトドアーに向いているか、いや不向きなのか、そんな事は考えた事は無い。 間違いなく言えている事は、煖炉が無くても生活には全く支障を来たさない・・・だけれども無くては決まらない!
下田のオキラクハウスの裏側にゲストハウスを自分たちの手で作る計画が進んでいる時に、最終的なデザインを考えていた。発想はアウトドアリビングだ。海外のインテリア雑誌のどこにリビングのど真ん中にテレビが置かれているか!? そうなんです。カッコいいリビングの中心には“煖炉”と昔から決まっているのです。ここからは、かなり心霊的なお話になります。 そんなアウトドアリビングをデザインしようと相当な時間を使っていました。最初は煖炉も自分で製作をしようかと、煖炉作りの勉強をしていたのですが、どうも自分で作るとピザ屋の店先になってしまうのです。そこで思いついたのが鉄製の煖炉。ところが日本で手に入るのは圧倒的に猫足的なデザインのモノ。時々あると、それはそれは高額で、また設置にも莫大なお金がかかる・・・でもデザイン画が完成して、やはり一番大切なコーナーには鉄製の直線を基調としたデザインの煖炉にすると・・・そんな煖炉、だれかくれないかなぁ・・・と思いながら。 すると二日後に植木屋の健君からの電話『ケージローさん、誰か煖炉をもらってくれる方はいませんか!?』『マジ!写メール送ってよ!』そして数分後に写真がっ!!!! まさにデザイン画に書いた煖炉。鉄製、角置き用、そして無料!(笑)とイメージ通りをいただきました。電話いただいた翌日に、そのオーナーの気持ちが変わらないうちに、トラックで三鷹まで行って撤去! まわりの付属の石の土台から煙突全てをいただきました!! さて、外の煖炉で何をするのか・・・それは“火”を見るのですよ! 火を見ていると気分は落ち着き(別にイラだってないけど・・・)最高に幸せな気分になれます。そしてとにかくお洒落っ!! イメージはするもんだ! ちなみにこの写真の別館! 自作です。タイルも家も!!
《時計仕掛けのオレンジ》という映画をご覧になったことがあるであろうか。70年代のバイオレンスモノの走りのような映画だ。ストーリーは結構、過激だったのだが、そこに登場する未来的な車やファッション、そしてインテリアが相当にカッコよかった。
その映像の中で”モダンな暖炉”を発見した。暖炉というと通常は豪勢な石、大理石などで壁に据え付けられていて、ブルジョアな家の象徴のようなモノ。大金持ちのオジいさんがロッキングチェアーに座り、葉巻をくぐらせながらブランデーを飲む・・・・がイメージだったが、この映画でお洒落な家には無くてはならない必須アイテムだということがわかった。ミッドセンチュリー的な家具にドンピシャと合うようなモダンなデザイン・・・・それ以来、目黒通りどころか全国のアンティーク・ショップで探し回ったが、そんな代物は全く出てこない。時々海外のインテリア雑誌では見かけるのにナァ・・・軽く5年以上は探していたと思う。アンティークショップのバイヤーもそんなモノを見たことが無いと言う。その映画自体が空想の世界で登場する車もオリジナルだったから、実際にはそんなモノは存在しないのかなぁ・・・・と、あきらめかけていた時に沖縄で発見した!!!それはアンティークショップでもない!米軍関係者の家でんない!! なんと友人・上地博信の家だった。その瞬間に ”あったぁ~~~!!!!”と当然に叫んでしまった。 ”ウエチっ!頼むから売ってくれ!!””駄目に決まってるでしょ!”(そりゃそうだぁ・・・)・・・この押し問答が一年以上は続く。そんなものでは、まだまだ、あきらめられない!脅迫状めいたメールも出した気がする。 そして、ある時に上地家の主導権を持つ妻・ミカ様がアンティークのロレックスが欲しくて探していると聞いて、ボクの宝物の一品(推定60年代のオイスター・パペチュアル、ボーイズサイズの程度極上品)を送って暖炉と交換を希望したら、ご納得いただいて、晴れて東京の我が家にやってきたのだ。素晴らしい!!!ブラボォー!! 見てください。このチャーミングなラインを。そしてインテリアとしてもパーフェクトじゃないですか。 お気に入り中のお気に入りです。 ウエチっ!!有り難うございます。ミカちゃんの右腕にいつも輝くセンス抜群なロレックスを見ると、いいトレードだったなぁと痛感しています。 (後日、上地家にはちゃんと別の暖炉がどこかからか探されて置いてあってビックリ!!)
PV-BV Corporation. Presented by Keijiro Hada