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沿ドニエステルで食う隣国のお味!!

バルト海から東ヨーロッパのあたりを、毎年恒例の”変態旅行友の会”のメンバーと旅をしていた。ここらあたりは国境線を見ただけで複雑に関係し合っていることが容易に判断出来るであろう。ましてや島国・ニッポンに住む我々には感覚がなかなかわかないのでは? 例えばトルコと言う国は隣国に西にブルガリア、ギリシャ、東にグルジア、アルメニア、イラン、イラク、シリア、そして海は黒海と地中海に接している。それらの土地を順番に端から回れば楽だろうが、ナゴルノ・カラバフ(国連の非承認国)の入国のスタンプがあるとアゼルバイジャンには入れないとか・・・とにかく何かと関係性がわかっていないと何ともならない地域なのだ。 宗教、言葉、過去の歴史ウンヌンと色々あるんですよ。でも見ると聞くでは大違い! 政府同士の仲が悪くても住民同士は、そんな偏見なんて持っていないとも聞くし、事実、犬猿の仲という国同士もある。

沿ドニエステルで食う隣国のお味!!

丁度、ウクライナに寄る計画を立てていた頃に、ウクライナ国内で紛争勃発。その内容にはふれないけれど外務省的には入国は諦めろとの勧告。しかし、その近所まで行っているのに簡単には諦められない。別にウクライナでどうしても何が見たいとか、食いたいなんてモノはない。一昨年もお隣のベラルーシまで行ってたんだけど、またいつでも来られるし、時間切れになってしまった関係もあってウクライナ訪問は宿題になっていたのだ。また、わざわざも行きたくないし・・・でも、となりの沿ドニエステル共和国(ソ連崩壊後も最もソ連に近い国と言われる)まで行った時に、なんとか粘って、断るガイドを自力で自転車に乗って国境越えをするからナントカ!とまで言っている時にウクライナ帰りのモルドバ人から様子を聞いて、ついに諦めた!(惨状は書けない!) 早々の平和解決を強く望んでいる。

沿ドニエステルで食う隣国のお味!!

なぜってウクライナ料理は美味いのだ。行けない慰めに隣国の沿ドニエステル共和国で食ったウクライナ料理が実に美味しかった。そして実に赤かった。こんなに真っ赤な食べ物は生まれてから見た事が無い。それも単品でなくコースで素材からソースまで真っ赤っか!(唐辛子で赤い韓国料理とは大違い!) 密造の赤ワインはもちろん、真っ赤! ムージュディ(ディップ)はガーリック、トマト、パセリのソース。これも赤! ヴィタミンニなるサラダもビーツ、ニンジン、松の実、で真っ赤っか。

沿ドニエステルで食う隣国のお味!!

王道のボルシチも真っ赤! メインの”バーラニナポープロヴァンスサリィスキー”もラム肉と赤ピーマン、トマト、ニンジンで赤い上にトマトの飾り物。ここまで赤ければ信念すら感じるではないか! ますますウクライナに行ってみたくなった。 ちなみにガイドに、オレがかつてロシアのモスクワやサンクトペテルブルクで食べたロシア料理よりずっと美味しいと言うと、素材が違うとの答え。それは全てフレッシュなオーガニック(無農薬)の成せる技という事なのだそうだ。・・・納得!!!(ちなみに農薬を使うと、お金がかかって高くなるとのお話でした。)

沿ドニエステルで食う隣国のお味!!

  • Kumanick
  • Chisinau str. V.Alecsandri.68
  • Tel 373 22 22 21 02
  • www.hutorok.md
  • 沿ドニエステルは東ヨーロッパ、モルドバの東部ドニエストル川の東岸のウクライナ国境地域。事実上の独立状態である。

モルドバで全部食い!!フータローの秘密。

東ヨーロッパのモルドバだ。もう一生わざわざ行かないだろうけれど、なんだか平和な良い街だった。街の至る所に昔は栄えた面影が随所に見える。お花屋さんが沢山あって明らかに精神的には豊かそうだ。ここは西にルーマニア、東にウクライナと接しているので料理も様々な影響を受け合っている。

モルドバで全部食い!!フータローの秘密。

どの国にも酸っぱめのスープがあって、その国の人々はそれぞれ自国の料理であるとプライドいっぱいに話すけど、そこらへんが近隣諸国とうまくやっていけない大きな理由なのではないかな!?(笑)だいたい国境も10年単位でみていったら随分と移動しているし。とにかく”平和ボケ”とは無縁な場所だ。 さて、モルドバ料理を解説。そのリストから全てを食って見たいと思っていたら、その殆どを網羅する店を発見。その名はフータロウ。

モルドバで全部食い!!フータローの秘密。

“ラブジャ”は玉ねぎを茶色くなるまで炒めて甘みをだして日本でいうソーメンみたいな細い麺に絡めて食べるモノ。少しお醤油をかけたら沖縄料理のソーメンチャンプルーだ。これ懐かしく美味しい。パリューニキは、つぶした茹でたジャガイモを塩と胡椒で厚めのカワで水餃子にしてスメタナというサワーヨーグルトをのせたもの。これロシアにも中国にもネパールにも、そして日本にもある国際的料理。それぞれ国々で味付けや素材が違うけれど。

モルドバで全部食い!!フータローの秘密。

“チョルバ”は国民的なスープ。これはチョルバクファソレ(Ciorba cu fasole)と言うニンジン、ジャガイモ、玉ねぎ、赤ピーマン、香草が入ったサッパリ味のスープ。 “ボルシュBors” まさにロシアやウクライナの料理であるボルシェ。ビーツと赤い根菜、玉ねぎ、キャベツが入った少し酸味のあるスープ。この微妙な酸味がモルドバ料理の決め手でした。

モルドバで全部食い!!フータローの秘密。

しいたけ、なめこ、しめじなどのキノコ類をほんのり酢であえてオイルと小ネギでマリネしたモノ、上品な味付けで舌触りも良い。肉食を禁じられたロシア正教のおかげで、きのこ料理が発展したそうです。 “ゴルツポクリースキ”ニンジン酢漬けを発酵キャベツで巻いたロールキャベツ。キャベツ&キャベツのキャベツ好きにはたまらない料理。 “サルマーレツェレンクツァ Sarmale Tarencuta” ルーマニア系移民が大半をしめる国なのでルーマニア料理でポピュラーなサルマーレはここでもポピュラー。

モルドバで全部食い!!フータローの秘密。

まるごと発酵させたキャベツの葉を使い米と赤ピーマンのトマト酢煮を包んだモノ。濃い緑のはブドウの葉っぱのモノ。 “リンバデビタファルタLinba de vita farta” 牛タンの塩漬けを水で煮たモノ。シンプルそのものだけど、ただ焼くよりずっとマイルドで美味しい。保存的にも良いのでしょう。これはホームラン! とにかく想像以上に何もかも美味しいのがモルドバ料理だった。

  • Restrant Hutoroc レストラン フータロー(笑)
  • V、Alecsandri68 Chisinau. MOLDOVA