ニッポンジンの結局行き着く場所は定食屋であった。 銀座には日本での“最高”が数多くある。 日本一、土地の値段が高いのは銀座だ。(鳩居堂前で1㎡3000万円) そして寿司屋の最高も銀座にある。 いや正しくは銀座には最高レベルの店が数多くある。 イタリアンもフレンチも、焼き鳥も洋服屋もデパートも、とにかく“最高=銀座”の図式は正しいと思う。 先日、発行されて話題となった“ミシュランGUIDE”の数多くの店が銀座に集中していた。 たくさんの超一流、そして超一流を求める客がいるからこの町は成り立っている。 そして御存知、銀座は東京都中央区に位置して、それは山の手と下町の境目となっている。
さて、フレンチやイタリアンの店員さんが日本人ならば毎日、フレンチはまず食べない。・・・・・・・・この店“ライス”という洒落た雰囲気の定食屋なのだが、銀座の路面店(一階)に定食屋なんてよく開いたと思う。 しかし実際に出かけてみると、そこには日本の真実の“姿”が見られる。 この世の最後の夜に食べたくなる物がここには全てあるのだ。 波田の聞き込み調査によると、この世の最後のゴハンは何が食べたい?の質問にやはり一番、大多数を占めるのが“美味しいゴハンと味噌汁”そして焼き魚、納豆・・であった。寿司やラーメンも人気はあったが、やはり“銀シャリ”にはかなわなかった。 銀座には相当に多くの人々が昼間の時間をすごしているし、近隣には定住者も多いと聞く。
いつの日にか、テレビの緊急放送で、まさにアルマゲドン(映画です。地球に隕石が衝突して地球は木っ端みじん!!)みたいに 『こちらは内閣総理府の広報担当です。非常に遺憾に思いますが、明日、地球に隕石が衝突します!日本中の皆さん、今夜は最後に大好きな料理を食べて明日に悔いの無い様にして下さい。』 と放送が入った瞬間、長蛇の列がこの店の前に出来る事は想像できる。 そうだ、毎日を今日が地球最後の日の様に真剣に考えるアナタ!! 銀座の最後の夜はここ“ライス”に限ります。 お値段は定食屋さんとしては、ちょっと高め!(素晴らしい食材だから仕方が無い。家賃も高いだろうしね。) でも大丈夫だよ。地球最後の日なのだから、明日はお金なんか要らなくなるしねっ!!!ここで使っちゃいましょう!
ランチ 小鉢定食 1000円 日替わり定食900円より 焼き魚定食1000円より
ディナー 筑前煮 580円 肉じゃが 580円 生麩揚げおろし 600円 青菜胡麻和え 600円 出しまき卵 680円 稲荷チーズ焼き500円 フライドハムエッグ450円 紙カツ700円 焼き餃子650円 たこ焼きオニギリ600円 ちりめん山椒350円 炊きたてご飯(味噌汁、香の物付)600円
デザート カフェモカ白玉
夜食限定 23:00~26:00 オニギリ 600円 のり茶漬 600円 京風きざみきつねうどん 1100円
イキナリなんですが、皆さんに言いたかったことがある。人間誰にでも秘密がある。別に秘密という程の事ではないかもしれないが、あまり声を大にして自慢したり吹聴する程の事ではない。人から指摘されたら怒るかもしれないが、前々から誰かに聞いて欲しかった事なのだ。それは・・・・・それは、うちの奥さんは”鳥”に似ているという事実である。シマじゃないよ、良く読んでね、バードの鳥です。愛犬家が犬系の顔、愛猫家が猫系の顔をしている様にだ。そして彼女の親、兄弟も、やはり鳥に似ている。出会って20年近くになるがだんだんと一層、似てきている。彼女の実家において鶏肉というのは世の中の人とくらべて別の意味がある。尋常ではない鳥マニアなのである。関東方面の一般的家庭が日曜日の夕飯に家族で御馳走で何を食うかといえばすき焼率が高い。北海道ならジンギスカン、関西だとお好み焼またはたこ焼き・・・・家庭によっては多少の違いがあれど、うちの奥さんの家庭は全員、強烈な鳥マニアで特別な食事イコール焼き鳥なのである。ただし焼き鳥と一言でいってもその幅は広い。駅前屋台から居酒屋もあればコダワリまくった店もある。
ここで紹介する銀座・鳥繁はモチロンうちの奥さんから教えてもらった。彼女は子供の頃から外食というとこの店に連れて来られたらしい。幼児体験のなかにこの映像がしっかりと焼きついている。彼女はもし自分が死に場所を選べるならここのカウンターで焼き鳥を食いながら死にたいという。(死なれた焼き鳥屋はたまったもんじゃない。)葬式では献花の変りにネギマを供えて欲しいとも言っている。そこまで惚れ込んでいるというには素晴らしいじゃないか。(夫としてジェラシーすら感じてしまう。しかし焼き鳥屋にジェラシー感じてどうする。)確かに店に来ているお客は銀座という土地柄、勤め人風が圧倒的に多いが、やはりレベルの高いビジネスマンが多い。以前にカウンターで食ってた時に隣り仲良くなったオジさんは某映画会社の社長だったなあ・・。共通項は全員、美味しそうにそして嬉しそうに食っているということだ。例外なく嬉しそう・・。愚痴っている野暮なダサイ奴はいない。焼き鳥はどれもモチロンにピカイチだが、最後に締めくくりに昇天、絶叫、感動、嗚咽な”ドライカレー “を出してくれるのだが、これが究極に美味い。モチロン、生の米から炒めた本物で鶏油にて作る。そして、そのアルデンテな感触はどこかの”炊きこみ御飯”みたいな根性無しとはワケが違うゾォ。心してイタダキたまぇぇ・・・。どんなに食っても最後にこのカレーピラフと鳥スープで胃腸内は”完全”の域に入る。パーフェクトである。是非、ここ銀座で愛される本物の味を確めて欲しい・・・・・・。
ちなみにこのドライカレーはテイクアウトが出来て持って帰ると翌朝に幸せな朝が迎えられる。この店は全てのパートに専門家がいて、専任で作業をこなすらしい。奥さんいわく、店員は殆ど昔と持ち場も変っていなく、同族経営らしい。そんな家族的な店に銀座、新座モノのエルメス、ブルガリは敬意を表していただきたい。
- 鳥繁 東京都中央区銀座6-9-15
- TEL 03-3571-9372
- 営業時間 17:00~21:30(L・O)休業 第2、3土曜日、毎日曜日、祝日
- 場所は交旬舎の横、資生堂ザ・ギンザの裏手で4丁目交差点から徒歩5分。 注文は食いたいものを季節に合わせて食う・・・合鴨は冬場、などと上品にダイナミックに楽しめる。値段は酔っていてあまり、記憶に無いが一人5,000円があれば充分。最初にドライカレーは注文しておくこと。トリスープとのハーモニーは究極です。
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