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移民の味、祖国の味!ハワイの“美心”

李朝明(りちょうめい)の家族は返還など、かなり前の
1940年代の混沌んとした香港で海鮮品を扱う小店を経営していた。
この時代はそれぞれの人が何か自分の商売を持つのが普通であり、
勤め人などそうはいない時代だった。
なので当時、現在の
“金融ビジネス”
が香港の中心になるなど想像すら出来ない人々ばかりだった。
中国大陸から離れ香港で暮らす事になったのは
先代が共産主義から逃げ、
流れ着いて香港という経緯。
決して望んだ地ではないけれど、
助け合う事の尊さを知る中国人同士、
協力しながら支え合いながらここで生きていた。
李朝明の家族は夫婦と両親、
そして四人の子供。
こんな時代なので家族の生活は厳しく、
英国の植民地となった香港の生活は決して楽ではなかった。
妻の雪梅(シュエメイ)は
近所の食堂で働きながら李の店の手伝いもしていた。
人手となれば妻から子供達も協力し合いながら生活を支え合っていた。
そんなある日、今の様な情報網ももちろんネットもない時代に、
アメリカ新天地からの華僑のウワサ話は入ってきていた。
というより意識していたせいかそんな情報をつかむことができたのだ。
かの地、アメリカなる新天地で移民を募集していると。
当時のアメリカ大陸と言えば希望の地。
港の船員などから話は聞いた事もあり夢は膨らんだ。
移民だけで作られた新天地とはいえ、
決して中国人にとって楽な生活が待ち構えているワケもないが、
それでも香港での極貧生活を脱するチャンスと考えた李は
貨物船での渡航を決めた。
家族も家長である李の決断とあれば従うしかなく、
李に希望を託した。
船だけでの渡航も安全とは言い難かったが仕方がない。
三週間に渡る航海で最初に寄ったのがハワイ。
今の様な“南国のパラダイス”などとはほど遠いハワイ。
ただその時に最愛の三男が肺炎の様な症状になり、
家族で下船を余儀なくされた。
回復まで時間もかかり、
ここまで乗ってきた貨物船は当然に目的地のアメリカ本土に向けて出航。
ここにも中国人がいる事を知り、
この地にて生活をする事を決めた。
決して極楽の南国“ハワイ”ではない、
ただの太平洋の島だ。

やっとありついた仕事は
同じ中国人の紹介で得た飲食店での裏方の仕事。
若くはない李朝明にはかなりの重労働になったが
香港時代よりも希望が見る事が出来たし、
元々真面目な李朝明は一生懸命に仕事を覚えて、
二年後には店の厨房では無くてはならない存在にまでなっていた。
妻のシュエメイもいくつもの仕事を掛け持った。

しかしそんな李夫妻を見ている“神”はいたのだ。
李夫婦の真面目な家族思いの姿勢は支援者の共感を呼び
いつの日か小さな店を持てるまでになった。
食う事がまともに出来ない時代に、
周りの中国人に美味しい香港スタイルの飲茶と
中華料理を食べてもらおうと出した店
“Mei Sum Dim Sum/美心”
は街でも評判の店になっていった。
李は決して拡大の道は選ばす、
お客を大切に、家族を大切に、
仲間を大切に、そして肝心の料理は“丁寧”に努力した。
もともと料理人でない分、努力も勉強も重ねて今の評判を築いたのだ。

スバらしいサクセスストーリーですよね。
全てはオレの勝手な想像だ。
店主が李さんかどうかもわからないけれど、
ここが愛ある店である事は間違いない。
ワイキキの喧騒をはなれ、
薄目で見たら香港みたいなお店を是非、訪れて下さい。
とてもファミリーは幸せな気分になれます。

 

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“Mei Sum Dim Sum/美心”

1170NausnnAve # 101-102 Honolulu HAWAII  96817

 

ここは香港スタイルのワゴンで点心を運んでくれる店。
回ってきたのを指先確認でオーダー、英語、中国語も一切不要。

 

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