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北極圏近くのエチオピア料理

エチオピアは一昨年に訪問した。
首都のアジスアベバはとても慌ただしい街、そして高地なのでやたらに空気が薄い。
決して豊かな食生活ではなかったけれどそれはそれで良い思い出だった。
ダロール火山など40℃という過酷な状況だっけれどスバラしい場所。
GDPは世界で85位だが大した問題ではない。
そんな国にも夢を持つ若者がいるのだ。

アジスアベバの貧しい家庭で育ったタスファィは
飲食店の皿洗いをしながら家計を助けていた。
そこの店に来るお客は旅人も多く、
見慣れない白人も多かった。
そんなお客と少しづつ片言の英語で話すうちに
だんだんと英会話も覚えたし、
それ以上に“外国”という世界を垣間見るうちに
いつかは自分も行ってみたいと夢見ていた。
しかし貧しいタスファィの生活では夢の夢。
そんなタスファィが見つけたのは
学校の掲示板の片隅に記されていた奨学金制度。
なんと成績優秀者はアメリカの高校に国費で行かれると言う。
タスファィは成績はまったくだった。
だがアメリカに対しての強い憧れが彼の向上心に火をつけた。
人は目標を持つと別人になれるのだ。
それから一年、学校の先生も、両親も驚く程に成長したタスファィは
見事に難関である国費留学の試験に合格。
そしてアメリカの高校への国費留学の権利を得て
晴れてアメリカのミシガンに留学。
憧れのアメリカの生活。
勉強は大変だったけれどタスファィは頑張った。
アメリカの文化にも一生懸命に馴染む様に努力した。
その時に知り合った女性が隣国のエリトリアから来ていたアレム。
アメリカ社会での陰の部分である根強い人種差別の中で、
やはり良き理解者で相談相手として深い仲に進展、
そのまま高校を卒業してお互い遠く離れた別の大学に進学したが
二人の愛は続いていた。
ある春の休みに二人はカナダの街で待ち合わせした。
その時に旅行社で見たオーロラの映像に引き寄せられて
イエローナイフという小さな街へ行く事に。
アフリカ育ちのエチオピア人にとっての
“零下”の世界は全く想像の外。
そこでの時間は人生を大きく変える体験に。
そして何年かイエローナイフに通ううちに出会った支援者の援助で
ここの地に暮らす事を決断。
カナダは移民にも寛容でいつかはカナダの永住権も夢見る。
そして彼らに出来る事はレストランという形で祖国の料理を提供して
エチオピアという国を紹介する事。
カナダ人は決して食に好奇心がある方ではなかったけれど、
タスファィはアレムの力を借りて、
段々と地元のカナダ人に愛される店に成長させた。
祖国とは大分、離れたが
二人と三人の子供達は生まれ育ったアフリカとは全く別の気候、
文化の地で頑張っている。
タスファィは毎日、零下30℃にもなるこの地で
深呼吸をする度に祖国の空気を思い出し
自分が世界の中に祖国以外の“居場所”
を見つけた事に誇りを持つのだった。
と言う勝手な想像をしながら食ったエチオピア料理は
エチオピアで食べるよりも美味しかった。

 

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Traditional Echiopian Food

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