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㐂邑(きむら)という新しいお食事!

『寿司とはなにか?』と外人から聞かれたらなんと答えるか?
『日本のソウルフードで
新鮮な生の魚介類と酢飯を小さくにぎったモノ』と答えるかな。
Wikipediaで調べれば
“寿司と呼ばれる食品は米飯と主に新鮮な魚介類を組み合わせた日本料理である。
大別すれば酢飯と新鮮魚介類を用いた早鮨(早すし)と
魚介類を飯と塩で乳酸発酵させたなれ鮨に区別される”
・・・とある。
そんな提議から考えれば、
木村氏が試行錯誤して到達したのは一般的な寿司ではない。
そもそも、いまや寿司なんだろうか?
もちろんスタートは寿司だった。
前世は魚だとおもわれる魚の知識が豊富な木村君は寿司屋での修行も少なく、
決して魚屋での経験も豊富とは言えない履歴。

 

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まだ30代の前半で寿司屋をやりたくて勝負に出た。
出せたのは都心ではない住宅地の二子玉川。
今でこそ再開発で楽天本社やら企業も出てきているけれど、
当時はまだ、どちらかと言えばハズレ。
少なくとも寿司屋など接待で使われる事が多い店としては相当に不利。
そして魚屋はいかにロスを少なくするかが経営的に肝心な問題。
もちろんマグロなど残したら全ての利益が吹っ飛ぶらしい。
そこで木村は考えて、
江戸前本来の酢締め、昆布ジメなどを研究しつくし、
その延長で魚類の熟成(エイジング)
なる世界を切り開いたのだ。
新鮮=素材 なる既成概念をフっとばしての研究。
その実験台に食いに行くのだ。
残念だけれどオレが行かれても数ヶ月に一度
(スケジュール的、財力的、それより何より予約が入らなのだ。)
なので定点で観察をしていると明らかに進化しているのだ。
以下は昨日のお品書き、通常12カン程度のボリュームだが、
食欲が無いというオフクロを連れてきたら完全に完食して、
これならまだ食えると言っていた。

◎ハマグリの濃厚スープ

◎アオヤギのなめろう

◎煮牡蠣

◎香箱ガニの塩辛

◎太刀魚

◎タラの白子のすり流し

◎シャリ&のり(ここからニギリ)これビックリ!

◎サワラの熟成 17日目

◎さより7日目

◎カンパチ 40日目

◎小鯛の昆布締め 3時間

◎カワハギ5日目

◎アジ 5日目

◎カツオ8日目 ワラの燻製

◎ホッキ貝 3日目

◎筋子 塩漬け4日、塩抜き4日半、干乾し2日、あとは忘れた。

 

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◎まかじき 41日目

◎こはだ 12日目

◎穴子  これは新鮮(笑)

◎たまご 甘鯛のすり身

なんだよ!41日目って!(笑)
筋子なんてどうしてそんな意味不明な手間ひまかけるのかが不明だけれど、
とにかく美味しいんですよ。
食感もネロっ、シトっ、コクっ、テロって感じ。
全く塩っぱいツンツンさも無く、もう別物でした。
あれだけで丼飯を軽く食えそうな美味さだったなぁ。

思い出すだけで、また行きたいけれど
・・・辛いね。一層、知らない方が幸せかもしれない。

 

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すし 㐂邑(きむら)

158-0094 東京都世田谷区玉川3−21−8

電話 03−3707−6355