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「吉野家」も「すきや」も「マック」も眼中(ガンチュウ)にない!!。 京都人の為の鯖煮定食屋。

この店のウワサは聞いていた。日本定食屋推進委員会選考会議でもたびたびの議題に上がる店だった。京都の食の歴史は保存食品の歴史である。御存知、京都の町からは海まで少々の距離がある。そこで昔の人はいかに美味しい魚を保存して、京都の町で美味しい食材を提供するか考えた。その傑作の中にはしめ鯖(シメサバ)、ニシン、漬物、西京漬け・・・・がある。ここは京都の観光客が少しまばらになる洛北方面という京都の地図だと中心地からは北方面に少し離れた場所だ。

「吉野家」も「すきや」も「マック」も眼中(ガンチュウ)にない!!。 京都人の為の鯖煮定食屋。

おそらく、いくらこのページの読者が熱心とはいえ、まず京都に行ったとしてもこの店に足を伸ばすとは考えにくい。当然、他にも食うべきものが多い街だからネェ。しかし、そんな奴はバカヤローだ。京都に行って今井食堂に行かないなんて大バカヤローだ。帰れ!帰れ~!(そんな怒るな・・)。(落ち着きを取り戻し・・・)波田はこういった専門店的な店が好きだ。そこに行くと決めた時点でオーダーが決まっているような店だ。ここの”店構え”と表現していいのだろうか。京都の店構えというと町屋(ウナギの寝床と表現される細長くて奥に広い住居、店舗)を連想する。今井食堂の表構えは御多分にもれす、そんなに広くない。そして入ってみたら・・・・そのまま狭かった。幅もなければ奥行きもない、要するに小さいコジンマリした店だった。店は決して明るくなく、そして一切の飾り気はない。店の電気代は月付き一万円弱で抑えられている。いやそんなに照らしてないかもしれない。聞けば開業以来60年、改築などはしたことがないらしい。そして通常テーブル席がないカウンターだけの店といえば片一方と決まっているのに両サイドが壁に向ってカウンターという相当に珍しい配置。

「吉野家」も「すきや」も「マック」も眼中(ガンチュウ)にない!!。 京都人の為の鯖煮定食屋。

満員時にはそれぞれの壁に向ってひたすら食う。プライバシーが完全に守られているのだ。鯖煮定食屋にプライバシーを求めてくる奴もいないとおもうが・・・。そして鯖煮定食を注文後、1分28秒で登場。その瞬間に驚いた。俺が注文したのは”スミ””海苔の塊か””○○こ”か”タ○○”かと思う程に黒い。こんな黒い塊の食品は見た事がない。全然美味しそうじゃない。しかし冷静に人を外見で判断してはいけないと母の言いつけを思いだし、そしてハシを付けて切ったらその側面は濃こげ茶、まだまだ決して食欲が湧く食い物には見えない。しかし食った瞬間に、何時か食べたことのある味だと思った。そうだ!、鯖の缶詰だ。(それじゃ全然、食べてみたいとは思わないねえ・・・。)しかしそのなんだか懐かしい味がたまらなく美味しい。メシが進むとは正にこの事であろうか。付け合わせは何もない。ステンレス皿とのコントラストがとてもクールである。店の厨房に乱入したらデカ~イ鍋に三日間煮こんだサバが山盛り入った鍋が幾つも並んでいた。

「吉野家」も「すきや」も「マック」も眼中(ガンチュウ)にない!!。 京都人の為の鯖煮定食屋。

秘伝のタレは100年位経っているような色、ツヤだが、たったの3日間らしい。しかし、ヤクルトの古田選手は学生時代からここに通い続け、今でも現役で通っているというから(わざわざこの店をテレビ番組で紹介していたらしい。)多くの京都人に愛されている京都人の根っこを垣間見た定食屋でした。

  • 今井食堂 京都府上賀茂御園口町2 (上賀茂神社、神馬堂並び)
  • 電話はあったがしても無駄とおもわれる。
  • AM10:30~PM7:00
  • 鯖煮定食 550円、他はオススメ定食(チキンカツとコロッケ、半鯖煮)700円(あまりお勧めではないらしい。)