店名に名前を何と付けようが勝手である。料理を出す店には値段的区別をする為に冠(かんむり)的に店の大まかな区別を付けるために呼称が付く。レストラン、ビストロ、定食屋、居酒屋、割烹、小料理屋と色々ある。しかしこの店は”キッチン”という呼称を選んだ。出している食事の内容なら充分にレストランでも良かっただろうに。さてキッチンとは、いったいナンなんであろうか。外国にもあるのだろうか? そのまま直訳で”台所”だぞ。しかし出てくる食事は超が付く高級な味である。ということで久々に乱入! オレも20年ぶりのキッチン・ボンなのだ。まず、久しぶりに店に行ってみて、この20年の間にバブル景気が通過したことを痛感。
昔はオンボロな昭和初期の木造建築だったと記憶したが近所も含めてキラキラな店に変わっていた。(たぶんキラキラになって10数年は経過している。)しかしキッチン・ボンの雰囲気はいたって控えめなままだった。開店時間は12時05分とある。サラリーマンが12時の時報とともに食事に向かう。そして目的の店に向かったら既に開店していて満席・・・・とほほ。これを避けるために考案されたのが12時05分なのだ。(波田の推測)この5分で開店にこぎつけ平和に平等に入店。落伍者無し、落ちコボレ無しを目指した結果と見た。事実、今回は早めに到着をして10分位、店の前で待っていたが12時3分45秒位までは僕たちしかいない。そして12時4分を過ぎてその1分の間になんと12人に客がやってきて見事に定刻12時05分に開店して平和に全員入店したのだった。一件落着!!(しかし先日またまた久々に行ってみたら営業時間が普通の12時00分に変更されていた。いったい何があったのだろう・・・・) さて食事はいたってトラディッショナルな洋食だ。
20年前に頑固親父だった店主は相変わらずでそのまま20年経過していた。そのサブを横で勤めている息子さんもそのまま20年経過していたのがおかしかった。20年間の歳月の間、この親子はこの店を守ってきたんだなあと再会を喜び合おうと思ったら店主はボクのことなんか全く覚えちゃいなかった。メニューに従って、お昼のお得感いっぱいなランチを発注。そうしたら常連風の俳優・三国連太郎氏の弟と推測されるジェントルマン(波田の推測)がメニューにはないカキフライを注文。そうこれは裏メニューに違いない。ということでオレも常連ぶってカキフライを注文したらコレが驚異的に美味しかったのだ。(値段も格別だった。8ヶで2600円これも次回行った時にはメニューに出ていた。)
ここの名物はボルシチ。酸味とニンニクの強さの下には野菜と肉の旨みが広がる。これも相当に美味い! しかし値段が相当にぶっ飛びなものがあるが、恐ろしくてランチでの注文は避けた。とにかく何処の店とも似ていない世の中の流れには迎合なんかしないキッチン・ボンに賛辞を送りたい。
- キッチン・ボン 渋谷区恵比寿西1-3-11 オクタゴンビル1階
- 03-3461-8538 12:00~13:30LO 18:00~20:30LO 水曜日、第3木曜日定休 ボルシチ1400円