泣く子も黙る三茶の”テっちゃん!”

2012年7月某日  泣く子も黙るという表現があるが、まさに無く子も黙ったのがテッちゃんだった。テッちゃんなんて気安く呼んでいるけれど、年齢はオレの三歳上。友達というかオレの兄貴(実)の高校の同級生だったのだ。当時の悪さは半端無しで三軒茶屋を中心とした暴走族Sの会長を務めていた。(ああいうのも務めるのか!?) 中学3年生の好奇心バリバリなケージロー少年を、わざわざ深夜に我が家まで迎えに来てくれて、暴走族の集会なるモノに連れて行ってくれたのもテッちゃん。様々な悪の道へ導いてくれたのもテッちゃんだった。そんな頃もケージロー少年を”ツカイッパ”などにはしないで優しくしてくれた。そんな男気のあるテッちゃんに遊んでもらうのが大好きだった。時は過ぎ、テッちゃんは様々な理由から高校を早期卒業! 社会に出た。元々の根性はビジネスでも生かされて、アパレルで名を上げた。オレも当時のキャラクタービジネスの手伝いをして仕事ももらった。(なんとそのキャラクターは明治製菓からスナック菓子が出るまでに成長。そのロイヤリティーは美味しかったと後日談。) ビジネスはどんどんと成長。日本の好景気にも押されて地元の三軒茶屋に大きなビルを持つまでに! その後はバブルの崩壊と共に倒産。負債はウン十億! でもゼロからスタートした根性はそのままで、数年間は海外で暮らし、気付けばちゃんと日本に戻り”カレーうどん”の店を開き大成功。そんなウワサは聞いていた。コンビニでテッちゃんのカレーうどんがカップ麺になっているのを見た時には腰が抜けたけど・・・! そしてまた地元に戻ってホルモン焼きの専門店を出した。これが満塁ホームラン! 現在は都内に20店舗近くを経営し、世界戦略も成功。上海では一人勝ち状態・・・だとさ! 先日、朝の駒沢公園をジョギングしていたら向かいから十数年ぶりのテッちゃんが!! 『あぁぁぁ!テッちゃん!』『おぉ!!ケージローかぁ!』と久しぶりの再会で嬉しかったのだ。そして近々に飲みに行く約束をしてテッちゃんの店に案内された。昔話も楽しかったけれど、もう60歳寸前なのに夢を淡々と語る姿がカッコよかった。 まさに波瀾万丈な男の人生っ!! 毒の無い人生なんて何がオモシロいんだろう!? 最近、岡本太郎の”自分の中に毒を持て!”なる名著を読み直したけれど、安全なんてナンのオモシロミも無い代物だと思った。 一度の人生、やりたい事をやろう!と再度、思わせてくれたテッちゃんに感謝だ。