いよいよ岩井食堂を紹介しよう。過去、何回も書き始めて頓挫した。話すと長すぎる。岩井には素晴らしい過去がある。オレの知りうる限り、かれは世界4~5か国の店々で修行を重ねた。(キャリフォルニア、イタリア、上海、ベルギー・・)そしてそこいら中に”女”を作った。(#^.^#) 料理には関係はないが新宿牛込第二中学時代にはヤンチャなガキで警察署員と戦い道路交通法を手玉に取った。爆音を上げてバイクで走る経験はきっとイサギよさやスピード感を身につけたに違いないし、痛みなども理解できるようになったと察する。一風変わった仲間意識や、芸風もその頃の経験から会得したに違いない。
とにかく話せば話すほどに、奥深い奴だ。人間、真面目に生きてりゃ良いってもんじゃないと思えてくる。そんな人間味あふれた岩井は日本に帰ってからも料理の腕を磨き、歯も磨き、様々な悪の世界から足も洗いピカピカになって、満を持して自分の店をオープンした。それが名店”岩井食堂”である。彼の腕からしたら”ビストロ岩井”でも”リストランテ・イワイ””岩井キュイジーヌ”でも良かったであろうに、何故か庶民的な”岩井食堂” という名称とした。開店後もそんなキャラだからテレビ局も放ってはおかない。トンネルズの石橋が登場する料理番組”イシバシ・レシピ”に出演したり、雑誌ブルータスの東京、大阪の若く”志”の高い、ヤル気満々のレストランを紹介する特集では60店舗が紹介される中、他店が半ページなのに岩井は異例の見開き2ページで紹介!
料理本”岩井食堂へようこそ”(ユニーハウス出版)はTUTAYAで平積みにされて販売。・・・・さて岩井の城である、お店は四谷の杉大門商店街にひっそりと、そして派手なタタズマイになっている。カウンターだけの12席。店内にはまだ木箱に入ったワインが山積みになり、お洒落と居心地の良い殺伐とした空間の中間点位の店だ。まぁひと事で言うならば”料理5割、店主岩井のトーク5割という比率のお笑い系・ちゃんとガッツり食べられる良心的洋風居酒屋ニース風”。ボクの好きなフレンチトーストなんて有名なホテルオークラのフレンチトーストと人気を二分するお味だ。ただしイチイチ厄介な話だが、このフレンチトーストだって簡単には作ってはもらえない。一般の男同士ではまず無理。メニューの注釈には、注文が出来るのは ①発注受券を持つもの。 ②岩井シェフの恋人(現在及び過去) ③岩井シェフの親友が本気で愛する女性・・・上記以外の方は絶対にお受けしませんとハッキリと差別的表現で書かれている。ただ例外として ④特例として新宿牛込第二中学を卒業した女性はその限りにあらず(意味不明である。)
・・・隣の席のカップルが注文して拒絶されている光景なんて良く出くわす。どこまでもワガママを貫く姿は感心する。岩井の料理は確かに美味しいが、実は他に隠し味がある。それは岩井のトークだ。それも爆裂なヤツだ。彼は時より客以上に酒を飲みながら厨房に立っている。いや時折なんてウソで毎度の事だ。オレは自分より酔っているヤツと酔いが冷めるという傾向にあるが、まさに岩井を見ていると酔いもだんだんと覚めてきて丁度ヨロシイ泥酔状態となれる・・・・そんな彼は飲むほどに饒舌(ジョーゼツである。とにかくマシンガンである。) アナタのテンションも当然に問われるわけで、なにか人生に消極的な時、憶病な時、元気が無い時はお奨め出来ない店である。やるき満々な時に、ドォーンと美味いもんでもホウばりに出かけよう!予約が入ればの話だがぁ・・・・
- 岩井食堂 東京都新宿区荒木町8-1 03-5919-1061
- 営業時間 18:00~深夜まで。 年中無休の働き者
- 代表的メニューをちょっと紹介 ○ダブリンから来た男のサラダ。 ○話し合いで決めるピラフ、リゾット 1200円 ○失恋のパスタ 1250円 ○毎日一生懸命働く人の為のクリームパスタ。 ○パンチェッタをカリカリに焼いたカルボナーラみたいなリゾット。