ラテン系オヤジの店

ラテン系オヤジの店

日本は広いし色々な人間がいるが、ここまで陽気なオヤジはそうはいない。波田啓次郎は気分がブルーな時(年に3日程ある。)このオヤジを思い出す。決してこのオヤジはカリスマではない。ただの”トンカツ屋”のオヤジだ。精神的にラテン系の超ハッピーオヤジだが・・・風貌はリッキーマーティンとはまるで違う。やはりトンカツ系な顔。”トンカツ一(はじめ)”は伊豆の下田に30年続く店。だからといっていって伝統的な空気は何にもない。只のキタナイ、街のトンカツ屋だ。ここの特徴といえばとにかく、やたらめったらにデカイオカズと快楽的オヤジだ。オヤジは下田市長より県会議員より有名だ。”はじめ”という名の由来も書くのが簡単だからという超安易な発想。

ラテン系オヤジの店

オヤジ曰く”ガッハッハァ、うめェぇーわけじゃないからセイゼイ、量でも食ってちょうだい、ガハッハッ”。だってメニューには特製トンカツ(通常の2枚分)特々製トンカツ(通常の3枚分)そして特製ハンバーグは3キロ~4キロある。メニューには女性、子供、お年寄り用というコーナーがあり、これは世間でいうところの一般サイズ。ということはトンカツ一枚しか食わない男は女・子供・年寄りと同レベルという扱いなのだ。”ガッハッハハ、男なら死ぬほど食ってみなぁぁ、ガッハッハハ”そして、勿論、メニューにはないがキャベツだけでなくカレーと付け合わせのスパゲッティーは無料。そのスパゲッティーたるや知ったらイタリア人はカンカンになって怒り狂う程の只のケチャップ味のスパゲッテイィー。(でも何故か美味しい)カレーは正にメリケン粉タップリのカレー。(これも何故か美味しい)もちろんキャベツも無料。

ラテン系オヤジの店

無料物は普通遠慮しがちにオーダーというのが世の常だが、ここは”わんこ蕎麦”状態で頼みもしないのにカレー、キャベツ、スパはガンガンとタダで盛ってくる。”ノーと言えない日本人”はひたすら食いたくも無いサイドオーダーを食わされる。オヒトヨシはデブまっしぐらである。ああ、恐ろしい。従ってこの店は下田界隈の大学合宿で泊まりこむ学生とか骨格のしっかりした奴が店内にやたら多い。みんな”ハジメのオヤジ”が好きで来てるのだろうが、面白がって笑っているのが印象的。そんなに美味くないのに店を出る時はやたらにハッピーな気分になる店なのだ。そうだ、大切なのは楽しく笑ってメシを食うことなんだなぁ・・・と痛感。これが身体にいいんだなあ。

  • とんかつ一(はじめ) 静岡県下田市東本郷町1-13-1
  • TEL0558-22-6407
  • 定休日月曜日、だけどオヤジが退屈で暇な時はやっている。
  • 営業時間 11:30頃から20:00頃。
  • 伊豆急下田駅を港と反対方面に歩いて一分の右側。とても開店盛業中とは思えない店構えが印象的。地元っぽい人に聞けば全員知っている。 トンカツ定食1100円、ひれカツ1200円、メンチカツ、唐揚げ、カニコロッケ、海老フライなどが色々ミックスになった定食(1300円)もお薦め。そして3~4キロの特製ハンバーグは3500円(全部食ったらタダ)わらじの様な特々製トンカツは2200円、全てのメニューはダイエット中の人には不向きな不健康食品(しかし、これが美味い。)