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恐れ入りましたぁ!! 沖縄郷土料理”うりずん”

“うりずん”とは旧暦2,3月の季節を表す沖縄の言葉。短い冬が終わり大気や大地の潤いが増して、春から夏へ微妙に季節が変化をしていく時期を言う。なんと情緒を感じる言葉であろう。沖縄は現在は日本であることは当然の事だが琉球文化という独自のもの。沖縄人はそれを大変、誇りに思い大切に伝えている。酒や食事の文化も独特で素晴らしい長寿の生活を支えた英知に満ち溢れたものである。沖縄人は心から島酒(泡盛)を愛する。沖縄にはご存知の通り食文化、芸術に関して素晴らしい伝統がある。

恐れ入りましたぁ!! 沖縄郷土料理"うりずん"

さて、ここの”うりずん”はお見事なまでに沖縄を感じるというかそれを伝え続けている貴重な店だ。二回目に行った時に店の音響が壊れていて淋しそうな顔をしたらお客で三味線(サンシン)を弾ける人間をよこして4~5曲歌って盛り上げて帰っていった。お店の中の一体感は他県では絶対に味わえない。さて雰囲気もさることながら食事がとことん美味いのだ。沖縄料理で有名なのはチャンプルーであろう。ゴーヤチャンプルー、ラフテー、トウフヨウあたりまでは全国区になってきた料理。しかし沖縄はそれだけではない。まず名前すら聞いたことが無いモノが沢山ある。ドゥル天(田芋ターンムという里芋に似た沖縄独特の芋に豚肉、里芋、しいたけを混ぜて練り合わせカラリと揚げたコロッケ。) ドゥルワカシー(ドゥル天の中身。病み付きになる味) ヒラヤーチー(小麦粉をダシで溶きニラをいれて焼いたお好み焼きの薄い様なモノ) クーブイリチィ(細切りした昆布とかまぼこ、豚肉、こんにゃくを炒めてから豚ダシで煮込んだもの。) スーチキ(まだ冷蔵庫が無い時代、この塩漬けの豚を保存食として大切に食べていた。

恐れ入りましたぁ!! 沖縄郷土料理"うりずん"

湯がいて塩抜きをして千切りキャベツと食べる。これがポークと呼ばれる缶詰に成り代わった。) ナーベラーンブシー(ナーベラーは緑色のヘチマ、味噌で炒めるか、豆腐で煮込むとンブシーとなる。) フーチバージューシー(ヨモギを入れた炊き込みご飯) ボロボロジューシー(ジューシーのおじや) 血イリチイ(豚肉と内臓、ニンニク、ニラを炒めて新鮮な豚の血で絡めたスタミナ料理。豚で食べないのは泣き声だけと言うほどに食う沖縄ならではの伝統料理。) ミミガー刺身(豚の耳や顔の皮部分、ミミガーは耳の皮の意、千切りの野菜と三杯酢で食す。) ミヌダル(ペースト状にした黒ゴマを豚肉にまぶしこれを蒸した物。ほんのり甘いゴマの風味が効いた上品な美味さ。) チキアギ(白身魚のすり身に卵の黄身を混ぜ島ゴボウやニンジンをたっぷり入れて練り上げ、しっとりと揚げた薩摩揚げのようなモノ。) スクガラス豆腐(夏に沖縄沿岸にやってくるアイゴの稚魚がスク、これを塩漬けにするとスクガラス。これを島豆腐に載せて食べる。重要な蛋白源だった。)

恐れ入りましたぁ!! 沖縄郷土料理"うりずん"

ウムクジ天ぷら ウムクジプットゥルー(ウムクジは紅芋のデンプン、沖縄の保存食。練って揚げると天ぷら、ダシとニラを入れて炒めたお好み焼き風なモノがプットゥルー) ニガナの白和え(ニガナは苦菜、独特の苦さが美味しい葉野菜で胃腸に効く薬草) ヒールンファーとスーチキの炒め物(ヒールンファーはニンニクの葉) チデークニー(細長い島ニンジン)とスーチキー(塩漬け豚)を炒めたモノ。)・・・・・・・・・わかった!これ歌にでもして覚えない限り暗記は不可能に近いであろう。♪♪ドゥルワカシーにヒラヤーチー♪ンブシー、チキアギ、スクガラスゥ♪プットゥールースーチキー♪♪・・・これで”ビギン”なら一曲作れる。はっきり言って今まで沖縄の随分沢山の店で食べたが、本当に美味いと思うのはここである。他にも美味しい店はあるが・・・・・・この店はハンパじゃない。正直、これ以上は有名になって欲しくない店なのだが、沖縄人にも本土の人にも、この正しき沖縄料理をしっかり食って次の世代に受け継いで欲しいのだ。素晴らしき琉球文化に脱帽です。

恐れ入りましたぁ!! 沖縄郷土料理"うりずん"

  • “うりずん” 沖縄県那覇市安里388-5 098-885-2178
  • 営業時間 17:30~24:00 第2、4日曜日休み