ニセコで2度の衝天! イリモモに感謝!

1月15日の札幌のミーティングの翌日に、ニセコに移動してスノーボード合宿に入った。そして三日目の最終日の朝、肉体的には少々の疲れが残っていたし、前の晩の暴飲暴食がたたり、胃腸的にもダルいのだが、朝は7時前に起きて、8時スタートの”アーリーモーニング”という通常営業前の一時的に動く特別リフトに乗るために、リフト前でスタートを順番待ちして待機していた。そのピリピリ感はあまり好きではない緊張だが、並んでいる人全員が、今日を待っていたと言う程のグッドコンディションな朝だった。誰だってパウダースノーの誰も入っていないファースト・トラックをモノにしたいという気持ちが満々にある。そんな瞬間だけの為に準備してきた連中が、このニセコの朝一、言い方を変えれば”北半球で最も幸せなスノーリゾートの年に何度も無い、最高の瞬間”を体験したいのだ。 昨晩は相当な降雪量で昨日に食い尽くされたゲレンデやコース外の林の中などには、綺麗に新雪がかぶり”まっさら”な状態になっている。そして天気は晴天。雪の湿度も申し分ない。 もしも、昨晩から雪が降り続けていたら、視界は悪く、気分も重く、決して、待ちに待った”THE DAY”とは言いがたいのだ。 そんなパーフェクトな日に当たる確立は意外に低く、夜に雪が降らない、天気悪い、吹雪・・・などが常なのだ。 ということで、今回も強運にも二日ともパーフェクトに近いが、今日は格別な朝だ!!  センター4、キング第3、そして第4というリフトを乗り継ぐ事、約30分、中でも最後のキング第4リフトは一人乗りでカバー無しの吹きっさらし、そして森林限界点(標高が高くて樹木は生息しない)を越えているので吹く風はストレートな冷気。マイナス20度位だろうか。 そして・・・・・・トイレに行きたい!! テンションは落ち気味だった。 そんな時はロクな事を考えない・・・・そしてリフトを降りて、今回もガイドをしてくれているイリモトトシヤ(今回から彼を井利元を改めイリモモ君と呼びたい。奴の強靭な太もも筋肉は、どんなコンディションの雪でも、一切の疲労困憊無く滑り降りる事が出来るだけのエネルギーを蓄えている。あんな疲れ知らずな太もも筋・大腿筋が手に入ったら・・・無敵だ。敵はいないけど・・・) ということで通常だと、この場所で下界を見下ろしながら本日のオススメコースを説明してくれて、イリモトが先頭となり滑るというより降りる、いや突っ込むカァ・・・とにかく過激に気持ちがいい場所(当然、ゲレンデではないロープをくぐった正しい少年少女には推奨しがたい林間コース)なのだが、今日は何の説明も無いまま、ボードを脱いで抱えてアンヌプリ山頂を目指して、なにも無い雪道を山頂に向かって歩き出した。(ここで今までも何回か誘われたが、これ以上、体力を使って、ましてや歩いてなんて・・・と断っていた。でも今回は問答無用という事か・・・それほどまでに今日は”THE DAY”なのだ。歩き始めてだんだんと頭の中がトイレでいっぱいになった。こんな障害物が一切無い、真っ白な雪の世界で”立ちション”というわけにはいかないし・・・・絵的に問題だ! 呼吸も結構辛いぞ! 波田は数年前にアフリカの最高峰キリマンジャロ(5000メートル)を制覇したが、その時を思い出す辛い記憶がよみがえる。途中何回か休んで深呼吸・・・後ろを見ると、まだこんな距離しか歩いてないのかとメゲる。辛い、苦しい、淋しい、トイレ行きたい、もらしたらカッコ悪い・・・とにかくネガティブ。しまいにはイリモモ君に文句を言う・・・・しかし何とか頂上に到着した。同行のヒロムとダイも疲れているのを見て安心! 避難小屋があったので、世の中には申し訳ないが、そして社会通念的にも問題があるのもわかるが・・・用事を済ませた。本当に気持ちがよくて『あぁぁぁぁぁぁ~~~っ!!』と叫んでしまった。あれ以上のション経験は無い。それは人生上、最高のションとなった。そしてその快感とともに、波田は復活した!! 『行くゼィ!!』  四人は準備に入り、コースを検討、そのままイッキに北半球1番のアンヌプリの頂上から、40分歩いて登ったところを、わずか30秒たらずで至福の滑走をした。その新雪の深さは70~80センチ。足に引っ掛かるモノがなにもない、まさに”浮遊状態” 頭の中から脳内モルヒネ(アドレナリン)がドロッドロッと湧き出るのがわかった。(薬事法ゴメンなさい!) 意識も無く衝天の声が全員から出ていた、いつもの見慣れた場所までの、推定30秒は、最高の時間だった。その場所で全員が奇声をあげ、ハイタッチ!! 波田は目に興奮の涙が出ていた。 その瞬間、思った。 ついてきて良かった! そして一人じゃこんなに感動出来ない。感動を共有できる仲間って最高じゃないの!! 今日はまさに”THE DAY”だった。 その日の午後はソバを食べながら、温泉に入りながら、車に乗りながら、飛行機で外を見ながら、次の目的地、仙台でマーケをしながら・・・・その瞬間を思い出してニンマリニンマリ・・・・スノボー+パーフェクトデイそして仲間 これ以上は無い冬の一日だった。 雪に、天気に、ニセコに、イリモモに、ヒロムに、ヨシキダイに感謝です。 また行く!!!必ず!! ”THE DAY” イリモモ君はイタリアを車で目的地未定旅行をした時も、ナビ(機械)無しなのにイタリア地図を頭に叩き込んで、いつも道を案内してくれた。その時の別名は”ナビモト”君だった。 様々な動物的才能の持ち主だ。