パシフィック・コースト アメリカ西海岸

パシフィック・コースト アメリカ西海岸

西海岸といえばアメリカ西部のキャリフォルニアからオレゴン、ワシントン州を指すが、一般的にはキャリフォルニアだろう。そして内陸部も緑豊かなところ、砂漠地帯など様々な顔を持つ。しかし、やはり海岸線の町々が西海岸的な空気がながれている。季節は一年を通じて温暖。夏は暑いが湿気がないので、一般家庭でエアコンをつけるなんて事はない程度。過ごしやすさは世界一。冬も夜はブランケット程度。ヒーターとは殆ど無縁である。(やはりサンフランシスコまで行くと秋からは相当に涼しいが。)まさに天国的な気候。またここぐらい、青い空が似合う所はない。ハワイや南の島は当たり前だが、あくまでもここには都会的なテイストがある。南国ハワイにはアロハが似合う。南の島はファラオ。北京は人民服。しかし西海岸の街に似合うのは少し気取った白に麻のシャツとかスーツとか。勿論、海岸線の街はサーフィンのメッカ。ここにはオシャレなビーチバムがいる。そしてやはりT―シャツが良く似合う。そんな自由な街が続くウエストコーストの代表的都市、ロサンジエェルスからサンフランシスコまでの700キロのドライブ、そして途中の街にふらりと訪ねた旅行をレポート。

パシフィック・コースト アメリカ西海岸

10月のロサンジェルス(ここで覚えておこう。西海岸通な人はエルエーと呼ぶ。)は空港に降りると独特の臭いを感じる。これを表現するには相当の文学的センスが必要だが、僕の中のアメリカの臭いなのだ。すこし甘ったるいカンジ。(外人は成田に着くと醤油の臭いがするという。それが日本の臭いなのだろう)そんな空気を感じながらレンタカーをピックアップ。レンタカーを借りて、また返却するたびに思うのだが、このシステムの完璧さはさすがに車社会のアメリカ、実に無駄なく大量の客と車を管理、そして処理していく。地図をみながら早速にフリーウエイに入る。片側5~6車線ある道を相当なスピードで走っている。この道が幾ら走っても無料。タダだと思うといっぱい走りたくなる。これがアメリカ中を縦横無尽に走っている。いったい日本の道路公団の高額料金は何処に入っているのだろうか。今回は大好きなLAは通過するだけ。昼に到着して約200キロ北上したサンタバーバラまで一路、向かう。途中にもマリブなど素晴らしい街があるが、そこを回るのは老後の楽しみに取っておこう。そんなところで和んでいたら目的地サンフランシスコまで1ヶ月かかってしまう。

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今回の旅はサンタバーバラからの上のカーメル、モントレー、そして17マイル・ドライブに時間をかけたいのでそこはフリーウエイを使った。本当はパシフィック。コーストハイウェイというまったくの海岸線沿いが素晴らしいのだが・・・。サンタバーバラには3時間弱で到着。静かなリタイアーを楽しむ人やのんびりした時間を楽しみたい人が暮らす街だ。文化レベルは相当に高い。 西海岸の朝にはクリーム色の霧が海岸地方の山岳地帯から太平洋にかけてかかる。朝日が昇り始めると、そのクリーム色のモヤがだんだんと美味しそうなオレンジ色に変化してきた。二日目の朝、桟橋から見たそんな朝焼けは今までの人生で見た朝焼けで最も美しいといえる素晴らしいものだった。こんな朝焼けが見れるだけでも、ココに住んでも良いと思う。(あいにく、時差調整ジョギングの途中なのでカメラは持参していなかった。)

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カーメルは小さな最も西海岸的な街だ。ここはかつて俳優のクィーント・イーストウッドが市長をしていたことでも有名だ。ここの、特に海岸線沿いの家(あえて豪邸とはいわない。ゴージャスな家はベルエアーやビバリーヒルズに行けば幾らでも見つかる。)ここの家は決してゴージャスではないが実に品が良い、そして住み手のセンスが光る家が並んでいる。樹齢数百年の木々が素晴らしい。そして自然を破壊することなく上手に融合している。目前に広がる太平洋は雄大だ。美しい波が立ち、誰しもがサーファーに憧れるだろう。街の店も上品な観光客を相手にした個性いっぱいの店が並んでいる。 17マイル・ドライブはまさに奇跡が生んだ美しい世界だ。ゴルフマニアでなくても、名前は聞いたことがあると思うが名門・ぺブルビーチ・ゴルフクラブはここにある。きっとここでゴルフをしたら他の何処にも行きたくなくなるであろう。樹齢数百年の大木と数万年かかって削られた断崖絶壁。美しく荒々しい太平洋の海。これにはどんな建造物もかなわない自然のオーラがある。

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サンフランシスコは坂が多い街である。上り下りに運転は技術が必要だ。そのおかげで街のいたる所から絶景が眺められる。坂を登りきって、不意に現れた遠くの海に反射する光・・・本当に、ケーブルカーに乗ったり、タクシーに乗っていても、散歩していても、そんな光景がイキナリ現れて感動する。中華街も大好きだ。観光用の中華的デザインではない、自分達の居心地のよいデザインとしての町がある。そしてゴールデンゲート・ブリッジを走るたびに映画”卒業”のダスティンホフマンになってしまう。アナタもここを歩けば必ずたそがれてしまうことだろう。 今回はキャリフォルニア・ワインの聖地、ナパ・バレーを訪れた。20年前に一度、昨年に2回目。そして今回が3回目の訪ナパだ。キャリフォルニア・ワインの歴史には触れないが、ここにはアメリカンドリームがある。実力ではフランスワインをしのぐと言われるほどにまで成長したキャリフォルニア・ワイン。そのワインナリーを見学出来るのだが情熱を感じる素晴らしい世界だ。

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今回、有名なレストランも訪れ美味しいワインと食事も楽しめたが、今回の大発見はニューヨークの超高級デリカテッセン・ DEAN & DELUCA が素晴らしい支店を出していた。天気の良い昼下がりだったので、そこで美味しそうなデリー(御惣菜)を十数品購入して、公園で冷えた白ワイン(勿論ナパ産)とともに昼食をしたのが最高だった。食事は何を食うかより誰と食うかだなあ・・・。楽しい仲間とのリラックスしたランチは御機嫌だ。 今回のコースは実は初めてではない。もう何回も訪れている。しかし、何度来ても新しい発見がここにはある。キャリフォルニアに来るたびに生活は楽しむ為にある・・・・・・と痛感するのだ。きっとこの先何十回も通う事になるであろうパシフィック・コースト。